フクロモモンガの診察

フクロモモンガの診察について

フクロモモンガは様々な色の品種が作出され、ひと昔前に比べたら珍しい動物ではなくなりました。お店で購入するのは簡単でも、生態を理解して飼育をするのはまた別の話ですので、診察では個々の状態に合わせてアドバイスをさせていただいています。

よくみられる症状・病気

自咬症

「自咬」とは病名ではなく、些細なケガやストレスによって自身をかじってしまう状態を言います。尾や指、クロアカ(おしり)周囲が多く見られる部位です。元々がきれい好きな性質であり、ちょとした汚れやカサブタが気になる子が一定数いて、時には治った傷を何度も繰り返し噛む事もあります。

自咬を放置しておくと、1日で予後不良な所まで進む場合もありますので、声を上げて痛がっていたら早めに動物病院の診察を受けましょう。自咬の進行を止めるために、首の周りにカラーを装着して物理的に防ぐ方法や歯科専門病院と協力して前歯を削る方法などがあります。

去勢手術・男の子の繁殖抑制

ペアで飼っている場合は繁殖の管理もしなければなりません。3-4ヶ月ごとに繁殖が可能なため、一般的な家庭では世話が難しい数に増えてしまう事がありますので、事前に対策を行いましょう。
フクロモモンガは生殖器がキノコのエノキの様な形をしており、その根元の細い部分を切ります。短時間のみの麻酔になり麻酔関連のリスクよりも、自咬のリスクを警戒します。そのため、術後は30分以上は院内で待機となりますので、時間に余裕を持って来院ください。自咬するときは上記に記載している通りカラーを装着します。

栄養失調・肥満

【混ぜご飯のすすめ】
フクロモモンガは豊かな森の動物のため、様々な種類の食事を食べます。見方を変えたら多くの栄養を取らないといけない動物ですので、食事のメニューは総合的に満たされた内容が望ましいです。そのため、好き嫌いが出ない様に複数の食事を混ぜて与える方法を勧めています。また個体差もあり、量を少し多くしただけで肥満になってしまう個体もいます。
本質は昆虫食の強い雑食の動物です。シカゴ動物園のレシピは有名な食事です。

爪切りについて

元々フクロモモンガは「かぎ爪」の形状をしています。木の上の動物の特徴で常に引っかかるのが正常ですので、正常な個体は爪切りの必要はありません。
ケガで爪が変形している場合や老個体は爪が内側に巻いてしまう場合は切ります。
よく診察でお話があるのは、「引っかかるから爪切りしてほしい。」という内容です。実際に見てみると多くは正常な長さで、人間の引っかかるという基準に合わせるか、あるいは動物としての正常を取るかは飼い主さんにより判断が分かれるためその都度ご相談します。
もちろん、古くなったタオルやポシェットは巻き付いてしまうケガを誘発しますので、ほつれていない新しい物を保ちましょう。