ハムスターの診察

ハムスターの診察について

飼う方も多い一般的なエキゾチックアニマルです。毎日診察していると、ケガをしやすい設定や肥満しやすい食事が見えてきますので、診察では注意点をお伝えします。寿命は2年前後ですので、1歳を過ぎると腫瘍など様々な病気が出てきますので、体重測定やプラスチックケースに入れて観察を行うと、異常に早く気が付ける事があります。

お連れになる時のポイント

飼い主様に状況を詳しくお伺いするため、いつもお世話をしている方がお連れください。
急な温度変化は、体温や体力を低下させる原因になります。プラスチックケースの側面に使い捨てカイロを貼ったり、温度管理に注意しましょう。食欲がある場合は、少量の水や野菜などもご用意ください。

よく見られる症例・病気

体表のできもの

体の表面に「できもの」が発生することが多くあります。ハムスターのできものは8割が悪性ですので、小さい時に手術で切除するのが良策です。当院では小動物に適した小型の電気メスや器具を多数揃えて臨みます。普通の犬猫の病院では無理と言われた腫瘤も、当院では可能な腫瘍もありました。院長石川がハムスターで得意とする治療です。早めに気が付いて治療ができる様に観察しましょう。

前歯が曲がっている

ハムスターは前歯が一生涯かけて伸び続けています。正常では切る必要はないのですが、金属をかじり過ぎた場合や年齢のために変形した歯は、伸びてしまいます。特に、上の前歯は内側に巻いて伸びるため、発見が遅れがちです。体重が落ちる、ヨダレが出る、顔が腫れるがサインです。麻酔はなしで、数秒で処置ができます。

便がやわらかい

食事の不備(脂肪や糖分の多い食事)や食中毒、感染症が原因で起きますが、複数の原因が関係して下痢になる場合も多いです。長く下痢が続いて痩せてくると、命に係わる状態になりますので、便が柔らかい状態になった時点で診察と検便をしていきましょう。犬猫の下痢に比べて、治療の難度が高い子もいますので、詳しい動物病院にて診察するのが良いでしょう。

陰部から白い液が出る

1歳を超える女の子のハムスターは、子宮や卵巣の病気になる場合があります。すごく分かりづらいのですが、陰部から白い液が出ていると、生殖器系の病気を疑います。レントゲン検査やエコー検査で確定診断をとります。当院ではハムスターの卵巣子宮摘出の手術が可能です。完治を目指すなら手術を提案しますし、内科的な治療も提示していきます。

皮ふが赤い

カビによる皮膚病が多いですが、チップアレルギーやホルモン障害、腫瘍、寄生虫もありますので診察で鑑別をしていきます。脇や股といった見えにくい場所が皮ふ病であるケースがありますので、注意して観察してください。

頬袋が飛び出した

頬袋が飛び出して腫れるのは異常です。自力で戻せない位に腫れあがってしまうと、治療が必要です。袋を押し戻して固定する方法や、袋を切除する方法と状況によって治療がありますので、診察して適切な治療を考えていきます。