症例紹介
どうぶつの持ち方の話
動物の持ち方について聞かれる事がよくあります。
今回はそのお答えに当たる文章になります。
当院では様々な保定が必要な処置を行っています。
小鳥の爪切り、ヒョウモントカゲモドキの脱皮不全の皮むき、ハムスターの切歯の処置のなどなど。
飼い主さんが言う事で
「家ではそんなに持てない。」
当然ですが、動物病院は薬を処方する事もあれば、手術や処置で「技術」を売る施設でもあります。
獣医師や動物看護師はそういった技術があるため、様々な動物の処置が可能です。
動物を保持して処置や注射、採血などを実施できる状態の動作を「保定」と言います。
このとき保持するスタッフ、動物、処置者の関係性が発生します。
なんとなく家で動物さんを抱えるのとは違います。家で抱えるだけなら保持者と動物の関係性のみです。
獣医師の大学は6年の長い期間がありますが、石川の時代にエキゾの保定の訓練はありません。小鳥は専門病院で習った記憶がありますが、それ以外は自力です。
とは言っても、ハムスターなりセキセイインコなり多く動物を飼育をしていれば、保定とまではいかなくても、小動物を扱う基礎は出来ています。加えて虫取りやトカゲの捕獲もかな経験していますので、これも小動物の扱いの基礎になります。
飼い主さんで、「自宅で爪切りが出来ない」という話はよく出ます。「無理だな」「恐いな」と感じたら本当に無理をしてはいけないと思います。
動物さんがゲガをしてしまうリスクが有りますし、既に病気やゲガがある時は手を出すべきではありません。
エキゾチックアニマルの爪切りは時に難度が高い事があります。
小鳥の爪切りに必要な技能は
「保定できる」
「爪を数ミリ単位で切れる」
「出血したら止めれる」
が必要です。
常に動く動物を動かない様にするのが保定ですが、動物なのでどこが動くかは予想しにくいため、触った感覚で、「動いたな」と感じて保定者の身体を調整し、動いても「動いてない」結果にしていきます。
その作業は知識ではなく「体術」に近い性質のものと思います。
BEN犬猫エキゾの病院
院長 石川雅章