症例紹介

飛びたくないオウムの話し

BEN犬猫エキゾの病院院長石川です。

ふと、「フクロウオウム」のニュースが目に止まりまして、筆をとりました。

オウム目の仲間で、「飛べないオウム」として紹介される事があります。

ケガをして飛べないという事でなく、長年の淘汰の結果、「飛ばない方が効率的」と変化したのです。

空を飛ぶという運動は消耗の激しい運動になります。鳥は助走なしで、木の枝から飛び立てる能力がありますが、それを可能性にするのは高い体温と高血糖状態、胸筋をはじめとする筋肉の維持が必要です。

飛ぶという行為は頻繁にメンテナンスが必要で、高いガソリン代ががかる行動です。

フクロウオウムでなくとも、ニワトリやダチョウなど飛べない鳥は沢山居ます。

進化の末に飛ばないという形態になったのであれば、飛べなくてかわいそうとはならず、エネルギー効率の良い形態になったとみるべきです。

ここで、一般の飼い鳥に当てはめると、怪我をしたり、病気で消耗したインコやフィンチは飛ばさずに安静にする方が良いと思います。

「食べてないけど、元気そうなので放鳥した。」という状態は急激に衰弱する可能性があります。

すぐに動物病院に連れていく方が良いですが、なかなか連れて行けない場合は「ケージレスト」で極力温存すると良いです。

プラケに入れて、25度〜28度に保つのが動物病院に行くまでに出来る最善な事になります。

 

基本的に「飛行」は消耗が多い行動になりますので、調子が悪い時はケージレストで安静にするのが良いと思います。

BEN犬猫エキゾの病院

院長石川雅章