症例紹介

つぶやき

温度計は性能がよい物を使う話

小動物を飼うときに、気をつけておきたいのは「温度管理」です。

小さな動物ほど、温度の変化で体調に影響が出ます。

例えば冬になると「ハムスターの低体温症」や「食欲不振の亀」、「ふくれるセキセイインコ」は多くなる傾向にあります。

数時間寒いというだけでも状態に影響がでる事もありますし、部屋の一角が温かそうと思って測定したら夜は冷えていたといった事柄はよく聞く話です。病気になってから急に温度管理を始めても上手くできる人は少ないですので、健康な時から始めましょう。

冬は夜中の最低温度が、体調を崩さない範囲にあるかを常に確認しておきたいですね。

 

性能が良いとは

・「正確さ」

0.1℃単位で測れる機器が良いです。理科で使う棒状の温度計は0.1度単位での測定には向いてないので、デジタル式の物がおすすめです。

・「最高と最低温度が記録できる」

1日の最低温度と最高温度が測れると便利です。夏場の最高であれば14時~15時、冬の最低であれば深夜2時~6時が主な時間帯です。当然ですが身体に影響が出やすいのは最高温度と最低温度です。

また、最高と最低温度が分かれば「1日の寒暖差」が分かります。一部の爬虫類の中には寒暖差がある方が良い種類も居ますが、多くの動物にとって10度以上の寒暖差は身体的なストレスとなります。幼体・老体であれば寒暖差をもっと小さくした方が良いでしょう。病気やケガをしている時もしっかり管理したいですね。

 

・「1日の温度を細かく記録できる」

気が向いた時だけ温度を確認するだけでは見逃しがあるかも知れません。学校や仕事がある人はそうも行きませんし、夜中も徹夜で測定するのは現実的ではありませんので、機器の性能で補います。

温度計が自動的に記録している物が良いです。

当院ではタニタ社の1時間ごとに記録してくれる温度計を使用しています。毎日24回分の温度が表示されていますので、それを1日何回か見るだけです。

スマホに送信されるタイプの温度計はグラフで表示してくれるの上に、外出中でも簡単に確認ができますので便利です。

 

おまけに「湿度も計れる」機能もあった方が管理がしやすいです。

さらに1個よりも複数個設置した方が精度は高いですので、沢山の動物を飼っている時は個々に測定してみたりしてもいいと思います。

 

なんとなく暖かくして、寒くてもとりあえず動物が元気で大丈夫~でしばらく飼えてしまう事もありますが、最初からお金を惜しまずに性能の良い温度計を使った方が総合的にメリットが多いと思います。

正確に、細かく測定でき、出かけている時も絶え間なく記録されている状態を数千円の投資で設定できるのは、動物の飼育では大きなアドバンテージです。

最近はネットで温度計を検索すれば様々な商品がヒットします。機能なども書いてあり、別にペット用のを必ず使わなければいけないという事もありませんので、上記を参考にしてしっかり観察できる状態を作っていくのがおすすめです。

 

BEN犬猫エキゾの病院

石川雅章