症例紹介
フェレット
フェレットの膀胱結石の話
イタチの仲間であるフェレットが膀胱結石になる事が時折あります。時折とは言え、多くの場合は重症である事が多く、重要なのでお話していきます。
オシッコの中に「石」ができた状態になると、石自体が痛みになります。特に男の子では細長い尿道につまって強い痛みになります。オシッコが24時間出ないと「急性腎不全」や「尿毒症」のリスクが高まりますので、早急に治療を始める必要があります。
本当に雄のフェレットの尿道は「奥の細道」です。
押し流すためのカテーテルは最小の太さの物しか入らず、石を動かすのはかなり大変です。
あまりにも石が動かない場合や尿道が破裂している場合は「尿道ろう」と言って尿道の出口を付け替える手術を実施します。
この手術は最終手段ですが、尿道閉塞は急を要する病気ですので、カテーテルで解除出来ない時は即時に手術を行う判断をします。
また、希なケースですが、女の子のフェレットでも閉塞が起きます。閉塞していなくても結石そのものが痛みや炎症になりますので、対策をしていきます。
当院では犬、猫、フェレットの結石の治療を行っていますが、共通しているのはどの種類の動物でも緊急性が高い点です。
出来れば尿検査、レントゲン検査、超音波検査などで兆候をとらえたい病気です。
3歳を過ぎてくるとフェレットは病気が出やすくなります。レントゲン検査や超音波検査は特に鎮静も要らず、リスクなく検査が出来る内容と思いますので、年に1~2回はやっておきたい健診です。
BEN犬猫エキゾの病院
院長 石川雅章