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野生個体と繁殖個体の違いの話
BEN犬猫エキゾの病院、院長石川です。
日本という国は、比較的様々な動物が流通する国です。
エキゾチックアニマルには野外個体(ワイルド、wcなどとも表現します。)と繁殖個体(ブリード、CB)に分別されます。
犬はほとんど100%人間が繁殖させた動物です。ですから犬を飼うときにワイルドかブリードかを議論しません。
セキセイインコやフェレット、ウサギ、ハムスター、ハリネズミは100%繁殖個体です。
よく見る哺乳類は繁殖個体が主です。
レアな一部の哺乳類や鳥類はワイルド個体が存在します。
また、爬虫類・両生類はワイルド個体とブリード個体が混在していて、種類によっては100%ワイルド個体です。
ワイルド個体は原産国の自然の中で生活していた動物です。
時にワイルド出身の動物は神経質で、食事や環境設定の「クセ」が強いのです。
例えばワイルドのカメレオンの中には、市販のコオロギは食べないが、セミやカマキリへの反応が良い事があります。
元々住んでいた所は、コオロギ類はあまり居なくて、セミは豊富に居たのだろうと推測します。学習しているのです。
一方で、アゴヒゲトカゲやウーパールーパーはブリード個体のみです。動きのない人工飼料に最初から馴れています。
クセの強い食べ物しか受付ない動物と、人工飼料をよく食べる動物では、飼育の手間に歴然とした差があります。
少し前から、ワイルドのチモールオオトカゲを飼っていますが、今のところ人前で食事はとりません。
人が居なくなった時に、こっそり食べているのです。
また、住んでいる環境も特殊で、そこら辺も考慮して飼っていきます。
日本に居て、「快適なインドネシア・チモール諸島の1日」を想像する訳です。
ワイルド個体は、そういった想像力が試され、一方でブリード個体はクセが薄まり、マニュアルに近い設定で対応しやすいのが特徴です。
馴れてないジャンルの動物を飼うときは、せめてワイルドかブリードかを確認して導入したいですね。
もちろん、経験豊富なマニアの方たちは、あえてデータ不足の動物にチャレンジして、飼育方法を開発していくというスタイルもあります。
初心者の方はまず、「ブリード」の馴れた動物から飼育の経験を積むのが確実です。
BEN犬猫エキゾの病院
院長 石川雅章