症例紹介
爪切りの頻度は?の話
よく聞かれる内容の一つに「爪切りの頻度」があります。
これは即答で判断しにくい内容でして色々な要素が関係してきます。
・動物種類
・若いか高齢か
・活発か大人しいか
・個体ごとの爪の形
例えばセキセイインコでは「お迎えしたばかりの若い個体」はほとんど切る必要はありません。一方で「8歳の老個体」は関節炎や肝不全の影響で非常に延びやすくなる事もあります。
そもそも、野生の鳥は爪切りをする事はなく暮らしています。その理由としては動いている内に摩耗したり、自分で研いだりしているためです。
飼育下では個体差や飼育状態によって差が出ますので、一概に何か月とは指示しにくい所があります。多い方で3~4ヶ月くらいの頻度です。
中には鳥さんで1年ぶりに来院し、その間爪切りはしていなかったという流れであっても、ほとんど切る必要がない子もいました。
また、「引っかかる」を基準にすると木の上の動物は元々引っかかる構造になっています。鳥類、フクロモモンガ、ネコなどは「鉤爪」の形をしていますので、人間の様な「平爪」とは管理の仕方が違います。極端に言えば、鉤爪である限り一生引っ掛かります。
白い部分を全て切る事はありませんので、ある程度加減して残して
とは言え、鉤爪でも切る必要がある個体もいますので、もちろん切らせてもらう事はありますが、切るかは慎重に判断したい内容です。
何も観察せずに定期的に切るというのは少し危ないケースがありまして、伸びてもいない爪を切って出血させてしまうリスクがあります。特に鳥類は大量に出血して、重度の貧血になる所まで行くことがあります。あるいは、出血した場所を自咬して再度出血するケースもあります。
そのため、「爪切り」でご依頼いただいても、診察では「切らない方がいい」と判断する事もあります。
ただ、慣れない方が切っていいかを判断できるかと、切るラインを思った通りに切れるかがポイントになります。
難しいと思うなら、動物病院で「健診+爪切り」で診察の依頼をするのが良いと思います。
BEN犬猫エキゾの病院
院長 石川 雅章