症例紹介

トカゲ/両生類/亀

光と爬虫類と植物

一部の爬虫類と観葉植物は「光」が必要です。

しかし、注意しなければならないのは何でも光を当てれば良いとは限らないのです。

 

爬虫類で代表的な種は「フトアゴヒゲトカゲ」「ケヅメリクガメ」などでしょう。

飼育している方はご存知「紫外線」が必要で、その中でA~C波長の3つに分かれていて「B」が最も必要です。

紫外線のこの波長を略称で「UVB」と表記します。

昼行性の爬虫類は紫外線を浴びせる事でカルシウムの吸収が促進されたり、食欲が増進します。

逆に不足すると「くる病」になり、厳しい体調になる事もあります。

 

植物であれば、「青」と「赤」が主な光になります。一応、人間が見える光です。

なので、植物の育成灯の一部の商品を使うと赤っぽい紫の色の光がでます。

最近の性能が良いライトはお日様の光に近い色の商品もあります。

マニアックに言ったら、観葉植物の種類によって必要とする光は異なります。

サボテンや塊根植物などは強光ですが、ポトスなど初心者向けの植物は窓の光で十分です。

室内のサボテンが長生きしないのはこのためです。

 

まとめると

爬虫類:紫外線B

植物:青と赤

 

紫は青より短い波長で、紫の外はもっと短い波長です。人間には見えないので紫外線と書くのです。

 

たまに植物が良く育つ環境なら爬虫類も飼えると言う方がいますが、半分合っていて半分間違っています。

 

察しの良い方ならお分かりでしょう。必要とする光の波長が全く違うので、植物の育成できる光が必ずしも爬虫類に良いとは言えません。

植物は育っているけど、爬虫類はクル病になるかも知れません。

 

ちなみに家庭で使うLEDライトは爬虫類にも植物にも使えません。

単に人間が明るく見えているだけです。

 

人間の視覚と、爬虫類の光、観葉植物の光は別物になります。

太陽の光だけが3つを兼ね備えているだけで、人工的なライトの種類は吟味するポイントです。

 

マニアックですが、ヤドクガエルや樹上性のカエルなら植物が良く育つと飼育に良い環境というのは合っていると思います。カエルは紫外線が必要ないので、設定を植物に寄せて良いのです。かなり植物に依存している種類ですので、植物の育成は大切です。

 

植物の育成もやりつつ、爬虫類を飼うというのは難度が高い気がします。アゴヒゲやリクガメを飼いつつ、同じケージで植物の育成をする人はあまり居ない気がします。分けて育てましょう。

カメレオンなら有りかなと思います。紫外線の要求量が少ないカメレオンと耐陰性の高い植物なら成立する可能性はあります。

 

高額なサボテンや乾燥系の爬虫類を10年以上継続飼育している方はここら辺を理解しているのかなと思います。

両方とも上手く育てている人は居ますが、かなりの使い手です。

ひたすた太陽光に当てるのも良くないし、かといって波長の合わないライトを当てても足りなくなるので、ちょうどいい加減で調整し、結果が出るのは数年先という世界です。

 

ぜひ面白そうと思った方は、ライトの世界に踏み込んでみてください。

 

BEN犬猫エキゾの病院

院長 石川雅章