症例紹介
フクロモモンガの去勢手術の話
BEN犬猫エキゾの病院院長石川です。
フクロモモンガの男の子の去勢手術を行っています。
繁殖力が高い動物ですので、相性の良いペアで飼っていると年に何回も子供を生む事ができます。
ブリーダーさんが計画的に増やしていくのは構わないと思いますが、一般の方が多頭飼いすると世話が継続できなくなり、かなり大変です。
繁殖の抑制として去勢手術を希望されるケースが多いです。
ワンちゃんの場合は去勢手術をしていないと、老犬になって前立腺肥大になるため病気の予防として行ないますが、フクロモモンガは病気の予防の目的はなく、繁殖の抑制が主な目的になります。雄で単独飼育の方はそこまで必要ないと思いますが、ペアで飼っている時はいつの間にか子供が生まれている状況が発生します。
去勢手術=精巣の摘出になりす。
フクロモモンガはキノコ状の精器の形をしていますので、細くなった部分の精管を切除します。
鎮静時間は短いですが、覚めてきて「自咬」するリスクもありますので、術後も注意して観察が必要です。
「自咬」はフクロモモンガで起きやすい事柄で、小さなカサブタでも執着する子もいます。一方で、手術後も全く気にしない子もいて、普通に帰っていく子も居ます。個人的な感覚ですが、手術の方法よりも本人が気になるかどうかの差なな気がします。極端に言えば潔癖症な性質か、大雑把な性質かの違いです。
大事をとって、手術が終わった後は最低30分は動物病院内で待機としています。もし自咬がみられたらカラーの装着も行いますので、時間がかかる場合があります。手術の時は時間に余裕を持って来院して頂きたいです。
特に気を付けたいのはカラーの装着です。多くは1~2日で慣れてきて2週間のカラーを装着している生活に順応していきます。どうしてもカラーを外そうとして首や爪が傷んでしまう場合もリスクとしてあります。手術の傷とカラーによって発生した傷のバランスをみて着脱を検討していきます。
初診の方は「去勢手術の相談」として外来の予約を取って頂き、手術の説明と動物さんの健診を行います。
説明の内容で了承していただければ、当日中に手術が可能です。
BEN犬猫エキゾの病院
院長 石川雅章