症例紹介

ウズラの右卵管遺残の話

BEN犬猫エキゾの病院、院長石川です。

 

当院はキジ科の仲間は「ウズラ」の診察を行っています。本日はマニアックな治療のご紹介です。

※鳥インフルエンザ等の公衆衛生的な理由でキジ科のニワトリの診察は休止しています。

 

ウズラはペットとして飼われている面もありますが、一方で「家禽」として品種改良の歴史があります。

非常に産卵が効率よく進む方向に品種改良していますので、産卵に係わる病気が多いです。

 

その中で、稀な病気で、「右の卵管遺残」という病気の手術を行いました。

そもそも、鳥類の卵管は「左」のみが成長し「右」は退縮して消えていきます。

何かしらの要因で、消えていくはずの右卵管が残り水風船の様になってしまったウズラさんがいました。

 

このままでは、卵管が内臓を圧迫し危険な状態になってしましますので、緊急で試験開腹しました。

幸いにも、腫れた卵管の根本は細く、その部分は切除ができました。

報告によると、卵巣が袋状になるだけでなく、腫瘍に変化してしまう場合もあり、難しい手術になる時もありますが、今回は無事に退院できました。

 

BEN犬猫エキゾの病院

院長 石川雅章